チケット金融と呼ばれる悪徳業者の手口があることをご存知ですか？
チケットを換金するだけなのので、一見すると問題なさそうに見えますが、実は闇金との関わりが深い大変危険なサービスです。
悪徳業者の手口に引っかからないようにするためにも、チケット金融の手口を事前に把握しておきましょう。
チケット金融とは？
チケット金融とは、高速回数券などのチケットを代金後払いで販売し、チケットを指定した金券ショップなどで現金化させる手口です。
チケット金融業者は後日、チケットの販売金額を返済させます。
このときに利用者が金券ショップで現金化した受取金額と、返済金額との差額が法外な利息となっているのです。
チケット金融は借金ではないため、金融ブラックの人でも利用できるメリットがあります。
どこからもお金を借りられなくなった人にしてみれば、一時的にお金を増やすことができる便利なサービスに見えるかもしれません。
しかし、後日法外な利息を支払うことを考えれば、チケット金融を利用するメリットはありません。
チケット金融の手口を知らずに利用してしまうと、後悔するでしょう。
ここからは、チケット金融の手口を詳しく解説します。
新聞や街中の看板で集客
チケット金融は、街中の看板や新聞、雑誌の広告などで広告を出して集客をしています。
チケット金融の目的はチケットを買わせることではありません。
法外な手数料を取って儲けを出すことが目的です。
そのため、「審査不要」「支払いは後払いでOK」などといった謳い文句で広告を出して利用者を募っています。
金融ブラックでどこからもお金を借りられなくなった人や、銀行や消費者金融の審査に通過できずに困っている人など、お金に困っている人が思わず手を出しそうな広告を出して利用者を集めているのです。
自分からチケット金融を利用しなければ被害にあうことはありません。
代金後払いで販売する
チケット金融は代金後払いという形で販売しています。
後払いなので、お金がなくてもチケットを購入することは可能です。
金券ショップに売却させる
チケット金融は、利用者が後払いで購入したチケットを、金券ショップなどに売却させます。
チケットを売却して受け取ったお金は、利用者が自由に使えるお金になります。
この時点では利用者はまだ出費がない状態なので、一時的にお金が増えたように見えます。
しかし、チケット金融と金券ショップは裏でつながってお金儲けをしているため、利用者が得することはありません。
金券ショップでは5割～8割引きの安値で換金し、あとで高額なチケット代金を支払うハメになります。
チケット代として高額な代金を要求してくる
支払日になるとチケット金融業者にチケット代を返済します。
このときに払わされる金額は、金券ショップなどに売却して得た金額よりも高く設定されています。
チケット金融はこの差額で儲けを出しているのです。
現金化した受取金額と返済金額との差額を利息とすると、かなり法外な利息です。
高額な延滞金を取る
もし支払日に返済できずにいると、チケット代金に加え、高額な延滞金・遅延損害金を取られます。
お金を取られるだけでなく、厳しい取り立てや嫌がらせをされる可能性もあるので大変危険です。
支払日は後払いで購入した1週間〜10日後に設定されているため、返済できなくなる可能性が非常に高いといえます。
お金以外のトラブルに巻き込まれる危険もあるので、チケット金融は利用すべきではありません。
チケット金融は違法で危険？
警察に摘発された業者もいる
一般的な闇金と比較すると、チケット金融には違法性が無いようにも思えます。
法外な金利でお金を貸し付けている闇金と異なり、チケット金融は利用者に直接お金を貸すことはしていません。
利用者にチケットを売り、金券ショップもチケットを買い取っているだけなので、一見すると闇金や悪質な業者とは関わりがなく、違法性もないように見えます。
しかし、やっていることは闇金と同じように悪質で、危険な違法業者です。
チケット金融は法外な金利でお金を貸し付けていませんが、利用者がチケットを売って現金化したときに得る金額と、後日業者に支払う金額には大きな差があります。
例えば10万円分の新幹線の回数券を利用者に後払いで販売し、金券ショップで7万円で売れたとします。
利用者は一時的に7万円を得られますが、後日、チケット金融に10万円を払わないといけません。
つまり、10万円を利息3万円で借りたということになるのです。
この差額を利息と考えると、法外ということになります。
実際に、警察に摘発された業者や、裁判所で違法判決が下されたりした事例もあるので、チケット金融は違法なビジネスといえます。
銀行や消費者金融は法律を守って営業しているため、返済に遅れても厳しい取り立てを行うことはありません。
金利も出資法の範囲内に設定されているため、安心してお金を借りられます。
悪質業者がチケット金融を行う理由
そもそもなぜ悪質業者がこのような手口を使うかというと、あとで言い逃れをするためです。
闇金が利用者にお金を貸して高い利息を取ってしまうと、違法として摘発されやすくなってしまいます。
そこで、「チケットを転売しただけ」「法外な利息はもらっていない」と言い逃れするために、チケットを介した貸付を行なっているのです。
利用者に直接お金を貸して違法な利息を取っているわけではなく、あくまでチケット売買を行っただけで違法ではない、というのが業者側の主張なのです。
チケットを介して儲けを出しているのは、闇金が自分たちの身を守るためのことです。
ここまで巧妙に違法性の高い行為を行なっている業者と関わりを持ってしまうと、どんなトラブルに巻き込まれるかわかりません。
借金が増えるだけでなく、個人情報の悪用や嫌がらせなどを行われ、精神的に追い込まれる可能性もあります。
チケット金融と闇金の関わりは？
闇金とは？
貸金業を営む場合には、都道府県知事への登録が必要になるだけでなく、出資法で定められた上限金利年20％の範囲内でお金の貸し借りを行う必要があります。
しかし、闇金は出資法の上限金利を無視して営業しており、法定金利の数十倍から数百倍の金利を取っている違法業者です。
金融庁が注意喚起
闇金が行うのはチケット金融だけでなく、給料ファクタリングや後払いなど、さまざまな方法があります。
チケット金融は、2002年頃から関西地方を中心に急増した闇金で、大阪府警が集中的に摘発を行っています。
現在は東京にも進出しています。
チケット金融は出資法違反の犯罪行為をしており、闇金の一種です。
お金に困ってしまった時に便利なサービスだと思う人もいるかもしれませんが、金融庁などが注意喚起を促しているため、利用するのは大変危険です。
いくらお金に困っていても、決して利用しないでください。
チケット金融を利用するとどうなる？
借金が増える
チケット金融を利用すると、一時的に手元のお金は増えますが、あとで高額な利息を支払わなければならないため、結果として出費が増えることになります。
その出費を補うために他のところからお金を借りてしまい、自転車操業に陥ることも珍しくありません。
一時的なお金目当てにチケット金融を利用するのは大変危険です。
いくらお金に困っていても、金利の高いチケット金融を利用すべきではありません。
個人情報が悪用される
闇金が運営しているチケット金融を利用すると、借金が増えるだけでなく、個人情報が闇金業界に出回るリスクもあります。
住所や電話番号が別の悪徳業者に渡されてしまい、架空請求などの被害が及ぶ可能性もあるので要注意です。
自宅宛に闇金からDMが届いたり、勧誘の電話がかかってきたりすることもあります。
一度出回ってしまった個人情報を取り戻すのは困難です。
闇金業者に電話番号を教えるだけでも非常にリスクが高いので、安易に利用すべきではありません。
闇金と関わりを持つと、お金以外のトラブルに巻き込まれる可能性があります。
闇金に教えた個人情報が多ければ多いほど、危険度もさらに高くなります。
自分だけではなく家族にも被害が及ぶ可能性もあるので、安易な判断はやめましょう。
もし、実際に利用して取り立てに困っている場合は、こちらの記事をご覧ください。
shakkin-kaiketsu.hatenablog.com
チケット金融の被害に遭ったときの対処法
チケット金融は看板や新聞・雑誌などに広告を出していますが、自分からコンタクトをとらなければ、チケット金融や闇金の手口に引っかかることはありません。
しかし、万が一チケット金融を利用してしまった場合は、適切に対処する必要があります。
間違った対処をしてしまうと、問題がさらにややこしくなる可能性もあるので注意しましょう。
チケットの換金や持ち逃げはNG
チケット金融からチケットを受け取ってしまった場合に換金するのはNGです。
チケットを受け取ってしまっても、法律の専門家に交渉してもらえば、チケット売買が不成立となり、闇金との関係を断てる可能性があります。
また、受け取ったチケットを持ち逃げするのも絶対にやめましょう。
相手が違法な闇金とはいえ、チケットを持ち逃げすると、自分まで詐欺罪になってしまう可能性があります。
また、すでにチケットを手に入れたということは、闇金に業者に個人情報を握られているため、持ち逃げをしてしまうと、非常に悪質な嫌がらせをされることになります。
事態がさらにややこしくなるだけなので、別の方法で対処しましょう。
一人で対処するのは危険
自分一人だけで闇金に対処するのは危険です。
自分ひとりで交渉してチケット金融と戦おうとしても、嫌がらせがどんどんエスカレートしていくだけです。
脅迫されたり、家族にも被害がおよぶこともあるので、闇金を甘く見てはいけません。
闇金問題に一度関わってしまうと、自力で解決することは非常に困難です。
かといって放っておいても事態が良くなることはないので、専門家の力を借りましょう。
司法書士や弁護士に相談する
チケット金融など、闇金が運営するサービスを利用してしまったら、換金せずに、すぐに弁護士や司法書士などの法律の専門家に相談しましょう。
チケット金融は法律の専門家じゃないと対策が難しいため、早めの相談をおすすめします。
闇金に強い弁護士・司法書士に相談すれば、問題解決が早くなります。
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警察は期待できない
警察は民事不介入の原則があるため、お金の貸し借りだけでは動くことができません。
事件性があったり、具体的な被害が出たりした場合には、警察も積極的に対応してくれますが、相手が悪質業者なのか判断ができず、証拠もない状態では、警察に介入してもらうのは困難です。
そのため、警察に相談しても、トラブルを根本的に解決することはできません。
チケット金融と交渉してほしいという場合は、警察ではなく、弁護士・司法書士への相談をおすすめします。
ただし、悪質な業者から暴力を受けた場合や、家に取り立てにきて困っている場合などは、警察に相談して対処してもらいましょう。
チケット金融まとめ
チケット金融を利用しても借金を根本的に解決することはできません。
金融庁や警察もチケット金融の注意喚起をしているので、いくらお金に困っていても利用しないようにしましょう。
自分からチケット金融を利用しなければ、被害に遭うことはありません。
街で広告を見かけても、絶対に近づかないようにしましょう。
チケット金融の正体を知らずに利用してしまった場合は、司法書士や弁護士に相談して、適切に対処してもらいましょう。
自分ひとりで対処するのは危険なので、必ず専門家の力を借りるようにしてください。
司法書士や弁護士の多くは初回無料で相談を受け付けているので、お金がないときも気軽に相談できます。
多額の借金を抱えて困っているときも、司法書士や弁護士に相談すれば、借金を減らす方法を教えてくれます。
一人で悩んでいても問題は解決しないので、まずは気軽に相談してみましょう。
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